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学長短信(松田文子 学長) 
Rector Statements by Fumiko Matsuda President

「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。

「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。

学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。

☆ 学長短信 ☆ No.22 2012.02.01

ティーチング,コーチング,カウンセリング

今年度は,本学学友会の運動部が,野球やサッカーを始めとして大活躍でした。ところで,スポーツでは,優秀なコーチが欠かせません。コーチは,「指示する」「教え込む」ティーチングよりは,「引き出す」「促進する」コーチングに重点を置きます。欧米で新たに発展著しい心理学領域の一つにコーチング心理学があり,スポーツの領域だけでなく,教育,ビジネス,健康等々の領域でその成果が利用されるようになってきています。最近のように,世相が暗く,うつ病が国民病と言われるような状況では,心理学も個人の不適応状況に対応する臨床心理学に目が向きがちですが,個人の持つ潜在的能力を引き出して,個人生活の充実・幸福感や組織や職場での活動能力を高めてよりよい状態に保持することに資すことを目指すコーチング心理学は,今の日本にこそ必要なのかもしれません。

コーチングの技法は,よって立つ理論(主に心理学の諸理論)によって少々違いはありますが,共通項としては,相手に関心を寄せる,解決すべき課題と目標を焦点化することを助ける,目標(下位目標)の達成方法を考えるのを助ける,本人の存在やプロセスや成果を承認する,未来志向で勇気づける,などが重要なようです。大学教育の場でも,ティーチングよりもコーチングの姿勢が,教員に以前より求められているように思います。さらに,内向きの学生には,カウンセリングのもっとも基礎である傾聴(関心を寄せて,ひたすら耳を傾ける)から,始める必要もあるでしょう。

学生の多様化と社会が大学卒業生に求める様々なハイレベルの能力に対応するには,もはや,一方的教え込みだけでも,「黙ってついてこい」だけでも,背中を見せるだけでも不十分です。相手と時期に合わせて,臨機応変に,ティーチング,コーチング,カウンセリングが使い分けられるようにするためのFDが必要になっているのかもしれません。いずれにせよ私達に必要なのは,あくまでも学生の成長へ向けての深い思いやりとそれを学生の成長に結びつける技法でしょう。

参考図書

S. パーマー,A. アリソン(編著)堀 正(監訳)(2011)「コーチング心理学ハンドブック」金子書房石井尚子(著)(2007)「子どもを伸ばす共育コーチング~子どもの本  音と行動を引き出すコミュニケーション術~」拓植書房新社


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