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学長短信(松田文子 学長) 
Rector Statements by Fumiko Matsuda President

「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。

「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。

学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。

☆ 学長短信 ☆ No.15 2011.07.01

7つの知能

ハワード・ガードナー(Howard Gardner)(67歳,ハーバード大学教授)は,子どもの発達と学びについて研究・実践する認知心理学者であると同時に,脳損傷患者の奇妙な認知機能の研究・診断・治療を行う神経科学者でもありますが,彼は,その多彩な研究と実践から「多重知能理論」を提案したことで有名です。人の知的活動は一元的現象ではなく,知的能力は知能指数のような単一の尺度で評価されるものでもないと考え,少なくとも7つの異なった知能(あるいは,世界の理解の仕方)が存在すると仮定しました。(1)言語的知能,(2)論理―数学的知能,(3)空間的知能,(4)音楽的知能,(5)身体的知能(体を使って問題解決をしたり,創造したりする),(6)社会的知能(他人を理解する),(7)個人的知能(自分を理解する)の7つです。この7つはかなり独立して発達するし,ひとりの人の中で発達のレベルも一様ではありません。また,独立して損傷を受けます。

ところで,学校教育は,この7つのうちの(1)と(2)をとても重視していることは明らかでしょう。(3)~(7)の優秀さは,時に課外活動や学校外で花開くことがありますが,学校の正課の中ではあまり脚光を浴びません。また,大学の教員にも,当然(1)(2)の優れた人が多いでしょう。でも長い人類の歴史を考えたとき,(1)や(2)の知能を主に使って世を渡った人は,圧倒的に少数派ではなかったでしょうか。百姓であれ,漁師であれ,芸人であれ,鍛冶屋であれ,大店の丁稚であれ,父親,親方,お師匠さん,先輩のやることを体で学んで体で覚えることが多かったのではないでしょうか。現代でも,DNA的には,学校教育で幅をきかす(1)や(2)の得意な人々が多数を占めているとは考えにくいです。それ
に現代社会においては,かつてより(1)(2)の比重が増しているにしても,社会生活を円滑に送るには,(3)~(7)は相変わらずとても重要です。

大学がエリートのものからユニバーサルなものになった今,大学に入ってくる若者も,(1)(2)が得意でない者が多くなっていると思われます。(3)~(7)をうまく引き出し,活かす教育が必要になってきました。教員は教育のプロです。あなたの腕が試されています。あなたの授業改善が期待されています。


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