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学長短信(松田文子 学長) 
Rector Statements by Fumiko Matsuda President

「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。

「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。

学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。

☆ 学長短信 ☆ No.95 2017.09.01

「魚の形は飼育環境で変わる-形態異常はなぜ起こるのか?」

 9月になりました。今朝の風は、秋の風でしたね。

 さて、海洋生物科学科の有瀧真人教授から、彼が筆頭編者の著書をいた
だきました。
 天然の魚が減っているので、人の手で育てられた稚魚の放流や養殖が今
や必須となっていますが、そこでは人工種苗を育てる種苗生産が不可欠で
す。しかし人工種苗では天然の魚とは異なる形や色を持つ形態異常が発生
しやすいという難問があります。有瀧教授は、この形態異常を物言わぬ魚
たちの「飼育環境が良くないよ」という直訴状と捉えています。あるいは
「対象種の生態的、生理的な特徴を覗くことのできる窓。きわめて小さ
く、視界も悪い窓。でも未知の部分が見えたり不思議に触れることの出来
ることのある窓」とも捉えています。魚への愛情と研究者魂があふれてい
ますね。本書はこの直訴状との格闘記録であり、形態異常の研究から見え
てきた新知見の報告です。6編のコラムには、飼育者や研究者のワクワ
ク、ドキドキが生々しく書かれており、門外漢にも楽しめます。自分が現
役の研究者であった頃の興奮も思い出しました。さて、この本を特にここ
で紹介するのは、他大学や研究所の第一線の研究者に混じって、第3章
の、第2,3,4著者が海洋生物科学科4年生であったこと、第7章の第1著者
は工学研究科生命工学系の修士課程の学生であったことです。4人とも卒
業あるいは修了していますが、「本学の学生は、最初は内気で自信なさそ
うでも、実は本当に真面目で熱心で、休もうともせずしっかり研究に打ち
込んでくれるので、私も本学に来て本当に良かった。楽しいですねー」と
いう有瀧教授の発言があったからです。ちなみに有瀧教授は、独立行政法
人水産総合研究センターの西海区水産研究所資源生産部長として、バリバ
リの現役で活躍中を、いささか強引に引き抜いてきたので、学長としても
少々気になっていました(平成26年4月着任)。魚を見る厳しくも優しい
眼が、学生にも同じように注がれているようです。よかった!

紹介図書:有瀧真人・田川正朋・征矢野 清(編)「魚の形は飼育環境で変
わる-形態異常はなぜ起こるのか?」恒星社厚生閣 2017年6月30日刊





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