スマートフォン用タイトル画像

福山大学 > 大学概要 > 学長短信(松田文子 学長) > ☆ 学長短信 ☆ No.83

学長短信(松田文子 学長) 
Rector Statements by Fumiko Matsuda President

「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。

「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。

学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。

☆ 学長短信 ☆ No.83 2016.10.01

認知行動療法

10月になり、さわやかな秋たけなわのはずが、今日も雨模様のじめじめで
すね。




 さて、「認知」は、このような感覚、知覚、記憶の保持や再生、さらには問
題解決、思考など、人の脳の情報処理に関わる働きを示す用語です。このあ
たりの働きが衰えてくると、出来ていた「行動」が出来なくなったり不自然
になったりして、認知症が疑われます。
 今日は認知症の話ではなく、認知行動療法の話です。4月28日の学長室ブロ
グで紹介されている、この春着任した保健管理センター学生相談室の松本明
生カウンセラーが、カウンセリングでこの方法を実際に用いています。認知
行動療法は、現在のところ、エビデンスに基づいた最も科学的な心理療法の
一つと言われています。今回は、その認知行動療法とはどのようなものかに
ついて、簡単に解説してもらいましょう。
*************
認知行動療法~考え方の「コリ」をときほぐし、変わろうとする信念を「生
かす」カウンセリング~

 とある朝、友人であるAさんに挨拶をしたのに、挨拶を返してくれなかった
という出来事があったとします。それに対して、「今日のAさんは機嫌が悪そ
うだから話しかけるのをやめようか」と考えて、近づくのをやめる人もいる
でしょうし、「Aさんは挨拶してくれなかった、何か自分が悪いことをしたの
かなあ?」と思い、落ち込んでしまう人もいると思います。また、「無礼な
奴だ、なんで挨拶しないんだ!」と怒りを感じ、そのあとAさんとは口もきか
ないということも(可能性としては)あり得るエピソードです。

 このように同じ出来事を経験しても、人の数だけその出来事のとらえ方(認
知)があり、そのとらえ方に対応した行動や感情が存在します。認知行動療法
とは、相談に来た人が持っている出来事の受け止め方のクセにアプローチす
るカウンセリングの一技法です。こうした考え方のクセにはさまざまな種類
があるのですが、例えば、うつ状態の人には、「自分」、「自分を取り巻く
世界」、そして「自分の将来」に対する否定的認知の3徴候 (negative
cognitive triad) という考え方のクセがありがちです。たとえば、「自分は
ダメな人間だ(自分)」、「自分の周りの人間は迷惑しているだろう(自分
を取り巻く世界)」、「こんな自分ではお先真っ暗だろう(将来)」といっ
たものです。いうまでもなく、こうした考えに支配されている状態では、あ
まり適応的とは言えない行動を取りがちでしょう。
 認知行動療法は、その考え方は妥当か、ほかに考え方はないか、こう考え
たほうが楽になれるのではないか、などといった観点から考え方のクセに着
目し、凝り固まった認知をほぐしていく方法です。誤解を恐れずにいえば、
いろいろな考え方がある中から、自分にとって妥当な考えを選び取れるよう
に援助していくプロセスが、認知行動療法のエッセンスの一つだろうと思い
ます。また認知行動療法は否定的な考え方にだけ着目するものではありませ
ん。肯定的でポジティブな認知、つまり、自分を成長させていく前向きな価
値観や、目標を定めてそれに向かっていく考え方を強めることも同時に行い
ます。
 もちろん、これらを実現させるための具体的な方法もあります。興味を持
たれた方は、保健管理センター学生相談室に是非いらしてください!
**************
 いかがですか。「面白そう。話しを聴いてみようか」「あの学生、連れて
行ってみようか」と、思いませんか。
 
参考資料
●2016年4月28日学長室ブログ(松本明生准教授紹介):  http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2016/04/blog-post_28.html
●認知行動療法については、厚労省がわかりやすいマニュアル等を載せてい
ます:
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kokoro/

 よい便り2件。最初は、学生です。
(1)2016年度第一回の日本語検定3級試験(6月18日実施)の結果、本学は
昨年に続いて「日本語検定委員会特別賞」を受賞しました。新入生の約6割が
受験しています。がんばっています。
 続いて教員。
(2)稗田雄三共同利用センター助手が、優秀な将来性のある研究者として、
平成28年度日本薬学会中国四国支部の奨励賞を受賞することが決まりまし
た。授賞式や受賞講演は、11月5日の第55回日本薬学会・日本薬剤師会・日本
病院薬剤師会 中国四国支部学術大会にて行われます。おめでとうございま
す。
 最後に国際交流のお知らせです。
(3)福山大学提携校であり福山大学孔子学院のパートナー校でもある対外経
済貿易大学の学生芸術団が、10月21日(金)16:20~17:50、大学会館ホー
ルで公演します。京劇や少数民族の踊りや歌、楽器演奏など、普段なかなか
見ること聴くことのない中国の芸術に接するまたとない機会です。皆さんお
誘いあわせの上、ご来場ください(入場無料)。
詳細はこちら。
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2016/09/blog-post_73.html


PAGE TOP