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学長短信(松田文子 学長) 
Rector Statements by Fumiko Matsuda President

「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。

「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。

学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。

☆ 学長短信 ☆ No.82 2016.09.01

「心の理論」その2

暑い暑い8月がやっと終わりました。あいかわらずまだ暑いですが、空の
青が、少しだけ秋色になってきました。




 さて、学長短信No.79で「心の理論」についてお話ししました。心の理論
とは、各人の持つ、他者の心的状態を推論・理解する枠組みです。幼い子ど
もにとっては、他者が自分とは別な心的状態を持っていることを理解するの
は結構難しいのです。最初にこのことを実験的に示したオーストラリアの心
理学者は、マクシという男の子を主人公にしたこんなお話を幼児に聴かせて
います。

「お母さんと買い物に行って帰ってきたマクシは、お母さんの買い物袋をあ
けるのを手伝い、買ってきたチョコレートを『緑』の戸棚に入れました。そ
して遊びに出かけました。マクシのいない間に、お母さんは『緑』の戸棚か
らそのチョコレートを取り出し、『青』の戸棚に入れ、それからまた外出し
ました。まもなくマクシがお腹をすかせて帰ってきました。」
それから、こんな質問をするのです。
「マクシは、チョコレートがどこにあると思っているでしょうか?」

 お母さんがチョコレートを移動させたことを、自分は知っているがマクシ
は知らないはずだ、と正しくマクシの心的状態を推測できれば、『緑』の戸
棚を選ぶはずです。しかしこれは3~4歳の幼児にはなかなか難しく、多くは
『青』の戸棚を選ぶのです。自分の知っていることは、他人も知っていると
思ってしまうのです。もちろん、大人がこの問題を間違えることはありませ
ん。

 かつて大学の教育や学生指導は、内容も方法も教員の自由に任されている
部分が大きく、またそれを世間も良しとしていました。しかし現代、教員の
責務としてディプロマポリシーの確実な達成を目指し、そのためにカリキュ
ラムは体系的に構成され、その体系の中で教員も授業を構成して行わなけれ
ばなりません。また、ディプロマポリシーは、卒業時には学生が何が出来る
か、を述べたものですから、教員も授業を通して、「学生に何を教えたか」で
はなく「学生に出来るようになってほしいと思って教えたことが出来るよう
になったか」を問わなければならず、「学生に出来るようになってほしいと教
えたことが出来るようになった」ときに初めて「教えた」ことになります。教
員がある意図を持って学生に教えたら、学生がそれを理解していようがいま
いが、「教えた」と思っている教員は、『青』の戸棚を選ぶ幼児と基本的に変
わらないのです。この意識改革、言うは易く行うはなかなかですが、必ずな
さなければならない意識改革です。
 さらに、自分で見たこと知っていることは、他の教職員も見て知っている
と思いがちだと、最近、私自身も痛烈に反省させられる事例に遭遇しまし
た。役職が上の者の場合、一層注意深くなければならないと痛感していま
す。

参考図書:
子安増生(編著)「心の理論」から学ぶ発達の基礎-教育・保育・自閉症理解へ
の道- ミネルヴァ書房 2016年刊。


 いくつかよい便りです。最初は、教員の受賞です。
(1)生命工学部生物工学科の佐藤淳准教授が、「活発な研究活動を行い将
来の進歩発展が強く期待される若手研究者」として、平成28年度日本動物学
会奨励賞を受賞することが決まりました。授賞式や受賞講演は、11月17日の
第87回日本動物学会にて行われます。大きな賞です。おめでとうございま
す。
 続いて学生の活動が2件。
(2)8月28日に岡山県井原市で開催された「与一を偲ぶ西日本弓道大会」
の一般男子の部で、建築学科1年の岩本健佑君が優勝しました。おめでとう
ございます。詳細は学長室ブログで。
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2016/08/64.html
(3)心理学科の犯罪心理学研究室(平ゼミ)の学生によるボランティア活
動「地域安全マップづくり」を行っているPACA福山支部が、広島県共同募金
会による「平成28年度社会課題解決プロジェクト」に採択されました。平成
23年度から連続6年、学生の力でボランティア活動のための外部資金を獲得
です。おめでとうございます。8月29日付けの文書による採択通知ですの
で、まだ学長室ブログに載せていませんが、PACEの活動はこれまでたびたび
学長室ブログに登場しています。たとえば、
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2015/09/2015_14.html
 続いて国際交流関係が3件です。
(4)7月30日に行われたキワニスクラブ主催の「留学生日本語スピーチコン
テストin広島2016」には、県内の大学や大学院で学ぶ、5つの国と地域出身
の留学生計18人が、作文審査を経て参加しましたが、本学の張淽瀅(チョウシ
エイ)さん(経済学部国際経済学科3年生、中山大学からの編入生)が優秀賞、
Genkova lvelinaさん(人間文化学部心理学科、ソフィア大学交換留学生)が
特別賞を受賞しました。おめでとうございます。
詳細は、学長室ブログで。
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2016/08/blog-post_10.html
(5)平成28年度広島県留学生倍増プロジェクト支援事業に本学が応募し、
採択されました。広島県は留学生受け入れ支援事業に力を入れており、本学
の採択は平成26年度・27年度広島県大学提案型モデルプロジェクト支援事業
に続き3年連続となりました。これにより、新規大学間協定締結による編入
生受け入れや大学連合学力試験とSkype面接による1年次優良留学生受け入れ
が進んでいます。
(6)本学が平成26年度より3年連続で採択されている科学技術振興機構
(JST)による「日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンス
プラン)」は中国でも高く評価され、今年度は中国科学技術部も日本から大
学の若手研究者・各省庁の行政官等を短期招聘することとなり、本学にも
JSTから参加者の推薦依頼がありました。本学からは、人間文化学部メディ
ア・映像学科の阿部純講師が応募し招聘が決定しました。10月に1週間、中国
の最新科学技術を視察し、研究者・技術者・政府関係者等と交流します。

最後にお知らせです。
(7)9月15日(木)13:00~16:00に、FD・SD研修の一環として、第3回福
山大学教育改革シンポジウム「高大接続を考える~高大接続システムの改革
と具体的方策~」が、福山大学1号館01101大講義室で開かれます。この方面
で先進的な改革をしておられる他大学の学長・教授、県内高校長等をお迎え
し、高大接続について様々な観点からのご意見を拝聴します。本学教職員の
みならず、他大学教員や高校の教員を交えて活発で実り多い議論や意見交換
の行われることを期待しています。詳細はこちら。
http://www.fukuyama-u.ac.jp/info/press-release/entry-3747.html
以上。


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