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学長短信(松田文子 学長) 
Rector Statements by Fumiko Matsuda President

「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。

「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。

学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。

☆ 学長短信 ☆ No.57 2014.10.01

共同的メタ認知

すばらしい秋晴れの日が続くようになりました。一方で、自然の猛威を見せつけられる災害も頻発です。被害に遭われました方々に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。

さて、メタ認知(自分の思考に気づいてそれを思考する、すなわち、自分の心的過程をモニタして予想、点検、評価し、それに合わせて目標設定や計画修正をするといった行動目標をコントロールする力)の重要性については、これまでも何度か、学長短信の中で触れてきました。学長短信No.10では、メタ認知能力こそが、思考や問題解決の根底にある汎用力である事を指摘しました。汎用力は、次々と新しい課題に直面せざるを得ない現代の大学卒業生が、地域の中核的人材になるに際して不可欠な能力です。しかし、長い間メタ認知能力は、身につく人には自然に身につくもの、身につかない人は仕方ないと、教育の対象にはされませんでした。しかし、激変を続け、難題をはき出し続ける現代社会はそれを許しません。

学長短信No.44では、アクティブ・ラーニングが、汎用的な知識・技能や態度を身につけることに役立つ、という調査結果を紹介しました。さらにNo.45では、アクティブ・ラーニングを導入するに際して、折に触れ、「新しいことを勉強するときは、すでに自分が知っていることと、どんな関係があるか考えよう」「一つの科目で学んだことを、できるだけ他の科目に関連づけよう」「何がわかっていて、何がわかっていないかを、自分の中ではっきりさせながら学ぼう」というようなメタ認知を意識的に使用することがメタ認知能力を高める可能性がある、と述べました。

ところで、アクティブ・ラーニングには仲間と一緒に行う「グループワーク」「ディスカッション」「プレゼンテーション」がつきものです。ここでは常に、仲間や相手がいます。共同して作業するときには、個々人の進捗状況を共有することが必須であり、そのためには言語化が有効ですので、自分の心的過程のモニタリングが起こりやすくなります。コミュニケーションを取ることによって、今の自分が何をすべきか、チームが何をすべきかが見えてきます。このような状況で起きていることは、「共同的メタ認知」と呼ばれます(いい言葉ですね!)。これからの世の中では、この「共同的メタ認知」がとても重要になりますが、それを育てるという点でも、アクティブ・ラーニングはなかなか優れた方法といえるでしょう。

参考資料
美馬のゆり 「理系女子的学び方のススメ」大学出版No.98,2014.4.,p.15-19.

関係したよいニュースです。
「四国EVラリー2014 inかみじま」で、福山大学のチームが,昨年度に引き続きクラス優勝しました。このチームの活動は、工学部の学科横断型の教育プログラム「みらい工学教育プロジェクト」の一つとしておこなわれたもので、機械システム工学科生の他に、建築学科生、さらには経済学部経済学科の学生も加わり、学年も1年から3年まで、総勢12名。学長室に全員そろって報告に来てくれましたが、コミュニケーションを取ることの難しさと重要性を、多くの学生が語ってくれました。積極性と協調性が重要と気づいた、という発言もありました。共同的メタ認知が成長せざるを得ない優れものの教育プログラムの例でしょう。
詳細は、こちら。
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2014/09/ev2014in.html
http://www.fukuyama-u.ac.jp/mechanical-eng/contents/topcs.html#topics1

もう1件、やはりプロジェクトがらみのニュースです。発酵に強い生命工学部生物工学科が、その強みを生かして、地場産ぶどうの栽培からワイン製造までを手がける「福山大学ワインプロジェクト」を立ち上げました。その研究に必要な、果実酒製造免許、甘味果実酒製造免許、ブランデー製造免許(いずれも試験製造免
許といって、大学等が酒類製造を試験研究する際に必要な免許)を8月に取得しました。1年生から4年生までのカリキュラムに組み込んだ、教育と研究の一体となったアクティブ・ラーニングとなります。原料のぶどうの収穫は無事終わりました。次が楽しみですね。
詳細は、
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2014/08/blog-post_18.html
http://www.fukuyama-u.ac.jp/biological-eng/original/entry-1343.html

もう1件よい便りです。9月23日付けの中国新聞にも紹介されましたが、3年ぶりに再開された広島銀行の研究助成に、工学部スマートシステム学科の伍賀正典講師の「ロボットの高度触覚機能を実現する光学式触覚センサの開発」が、選定されました(全部で4件。私立大学からは、彼のみ)。おめでとうございます。
詳細は、
http://blog.fuext.fukuyama-u.ac.jp/2014/09/blog-post_29.html
http://www.hirogin.co.jp/ir/news/paper/news140918-1.html

最後に、一般の方も参加可能な10月10日(金)10:30~11:50におこなわれる、福山大学の平成26年度第3回教養講座の紹介をします。現在、第二次安倍内閣の内閣官房参与で、福山大学の客員教授でもある木曽功氏が「ユネスコとユネスコ世界遺産条約」という題で講演されます。木曽氏は、ユネスコ日本政府代表部特命全権大使を勤めておられました。なかなか聴けないユニークな内容のお話が期待されます。


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