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学長短信(牟田泰三 前学長) 
Rector Statements by Taizo Muta President

「学長短信」は、牟田泰三前学長が始めたもので、福山大学の大学運営を、どのような考えに立って、どのような方針で進めているのか、などについて、学長から教職員の皆さんに伝えるために、メールで届けているものです。

「学長短信」は、学内の皆さんに読んで頂くだけでなくて、大学外の方々にもこれを読んで頂いて、福山大学のことをより多く知って頂きたいと思います。そこで、前学長のものも含め、「学長短信」のバックナンバーを全て福山大学ホームページにアップすることにしました。

学外の皆さんにも、是非この機会に読んで頂きたいと思います。

☆ 学長短信 ☆ No.30 2010.02.08

☆ 学長短信 ☆ No.30

近年の学生達の様子を見ていると、「大学に入ったらどんな勉強が出来るのだろう」と興味津々でやってくる学生が少なくなったように思われます。教育現場に携わっておられる先生方と話していても、「この頃の学生はなかなか自ら進んで勉強しようとしてくれません。」とおっしゃる方が多いようです。一口で言えば「勉学意欲」の希薄さとでも言えるのでしょうか。

いったい、勉強は何のためにやるのでしょうか。たまに「先生、どうして勉強しなきゃならないんですか。」という根源的な疑問を投げかけてくる学生がいて、弱ってしまうこともあります。

このような疑問に対して、きちんと答えるかどうかは、教師の教育理念と関わることであり、また学生達の勉学意欲を引き出す努力ともつながるものです。だから、はっきりとした考えを持って学生の指導に当たる必要があると思います。

薬学部等の学生のように、国家試験等を目指して入学してくる学生は、資格取得という明確な目標があるから、何のために大学で学んでいるのかは明白です。しかし、資格などと直接は関係のない学問の場合は、「君たちが社会に出て困らないために、また、社会の役に立つために勉強をしておくのだよ」というありふれた答えをすることになります。

テレビのドキュメンタリー番組を見ていたら、中国内陸部の農家の親が子に「勉強してお金持ちになりなさい。」と言っている光景を目にしました。子供達もそれを受けて、「必死で勉強して、お金持ちになって親を楽させてあげるんだ」と言っていました。これも、一つの動機付けとしては大事なことでしょう。でも、これだけでは淋しいような気がします。

そういえば、昔は日本でも親たちが子供達に「勉強して偉い人になりなさい」と盛んに言っていました。現在は親も子もこんな風に考えているとは思えません。

私たちが勉強に駆り立てられる本当の動機は何でしょうか。この問いに対する明確な答えを示すことが出来れば、勉学意欲を引き出す動機づけに対するアイデアも出てくるのではないでしょうか。

私は個人的にはこういう考えを持っています。「私たちがこの地上で過ごせる時間というのは非常に限られた時間です。私たちが過ごせる限られた時間を有意義なものにするということは意味があることです。限られた時間を有意義にしているという充実感、これをいつも持っているというのは大切なことです。その中で重要なことをなし遂げることができれば、より一層充実感を持てるのではないでしょうか。充実感こそが我々人間が学ぶということの原動力なのかもしれません。」

さて、こういうことを言っても、わかってくれる学生は5%もいるでしょうか。


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