私たちは、こんな研究をしています。

1. 茶カテキンとカフェインが形成する錯体について

 チャの葉に多く含まれるカテキン類は、同様にチャの葉に含まれるアルカロイドのカフェインと水溶液中で錯体を形成していることが知られています。 このような錯体は特異な立体化学構造を有していることが考えられるばかりか、固有の生理活性やカテキン類を上回る活性を持つことが期待できます。
 そこで創薬における基礎研究として、これら錯体のX線結晶構造解析を行うことにより、その詳細な立体化学構造および分子間相互作用の解明を行っています。

茶に含まれるカテキン類とカフェイン
1:2 GCg・カフェイン錯体                  2:2 GCg・カフェイン錯体
GCg・カフェイン錯体のX線結晶構造解析(Tetrahedron Lett.., 50, 4121-4124 (2009))
2. 新しい抗マラリア薬をめざして
 抗マラリア薬として最もポピュラーなものにキニーネが知られています。 キニーネはマラリアに対してシャープな効き目を示す一方で、視覚異常、腎障害という強い副作用を有しているため、キニーネに代わるクロロキン、プリマキン、あるいはファンシダールなどが合成されてきました。しかしこれら合成抗マラリア薬についても、薬理作用の減退、新たな副作用の出現、及び薬剤耐性原虫発現などの要因から恒久的な治療薬とは言えないのが現状です。
 そこで、我々の研究室では、キニーネがもつユニークな立体化学構造に着目し、キニーネといろいろなペプチド、あるいはタンパク質との複合体(錯体)をつくることにしました。 こうすることにより、膜透過性をはじめとする物性がキニーネと比べて変わり、薬理活性や毒性が大きく変化することが期待されます。 このような研究を通して、副作用の軽減した抗マラリア薬の開発を行っています。
キニーネ            クロロキン             プリマキン