スマートフォン用タイトル画像

海洋生物科学科 > 教員紹介 > 渡辺 伸一

海洋生物科学科
Department of Marine Bio-Science

渡辺 伸一(わたなべ しんいち)

【職名】

准教授

【学位】

博士(理学)

【専門分野】

動物生態学

【担当科目】

生物統計学、フィールド調査法、フィールド生態環境実習(1)、海洋動物の行動と生態、絶滅危惧種と環境保護

【メッセージ】

瀬戸内海は、海域と陸域とが密接に関係しています。そこに棲むさまざまな動物の生態や行動を研究しています。調査手法として、最新の環境調査手法であるバイオロギングを使って、環境と生物の相互関係について明らかにし、生態系の保全を目指した研究を行います。

【リンク】

研究者情報 フェイスブック オリジナルホームページ

■カブトガニの生態を調査して干潟環境を守る

かつて、カブトガニは、瀬戸内海の沿岸で広く分布していました。しかし、戦後の高度経済成長に伴い、カブトガニの生息地である干潟が埋めたてられ、工業排水や生活排水によって水質が悪化しました。現在、カブトガニの姿は瀬戸内海のごく限られた場所でしか見ることができません。福山大学から車で一時間ほどの距離にある岡山県笠岡市は、全国でも有数のカブトガニの生息地として知られていましたが、そこでもカブトガニは絶滅の危機にあります。カブトガニの成長や食性、活動様式などの基礎生態を解明し、カブトガニと干潟環境の保全に役立てたいと考えています。

計測機器を付けたカブトガニのペア


■山口県上関町の無人島で繁殖するオオミズナギドリの生態を解明

オオミズナギドリは、日本近海の離島で繁殖する海鳥です。世界で60島ほどの繁殖地が知られていますが、その多くが太平洋や日本海の開けた海域にあります。瀬戸内海には唯一、山口県上関町の無人島にこの鳥の繁殖が確認されています。ここで繁殖するオオミズナギドリの繁殖数や繁殖成功率、バイオロギングを使って餌を捕る場所や繁殖後の渡り経路を調査しています。これまでに瀬戸内海という半閉鎖的な環境に住むだけに、ほかの繁殖地の生態とは異なることがわかってきました。

繁殖地の無人島に帰ってきたオオミズナギドリ


■広島県のクロダイの採餌生態と貝類の食害被害の実態を解明

かつて、クロダイは広島県の重要な水産対象種でした。しかし、現在は、水産資源としての価値が下がり、捕獲量は減少傾向にあります。その結果、広島市沿岸のクロダイの数は増え、それがマガキやアサリ、シジミなどの有用貝類を捕食することが社会問題となっています。クロダイによる食害被害の実態を解明し、そのための対策を立てるために、クロダイの採餌生態に関する調査を行っています。江田島市のマガキ養殖筏でマガキを捕食するクロダイの調査を行うほか、広島市の河川でシジミを捕食するクロダイの調査を行います。

計測機器を付けたクロダイ


■ナルトビエイの採餌生態と沿岸環境への影響評価

太平洋や日本海と異なり、瀬戸内海には大型の魚類はほとんど生息していません。しかし、近年になってナルトビエイという体重50kgほどにもなる大型のエイ類の数が増えつつあります。ナルトビエイは、アサリやタイラギなど有用貝類を食べますが、巨体故に、その捕食量はすさまじく、沿岸環境に与える影響は大きいことが予想されます。このナルトビエイの行動を調査し、捕食量や捕食場所を推定し、そうした場所での生物相を調査することで、ナルトビエイが与える沿岸生態系への影響を評価したいと考えています。

計測機器を付けたナルトビエイ


■山口県上関町周辺のスナメリの分布と出現状況の季節変化

瀬戸内海には、世界で最もと小さいクジラ類であるスナメリが生息しています。日本に住むほかのクジラ類が太平洋などの開けた海域で棲むのに対し、スナメリは瀬戸内海のような半閉鎖環境に棲んでいます。山口県上関町の周辺海域は全国でも最もスナメリの密度が高いと考えています。イルカ類と違って、臆病なスナメリは海上に姿を現すことは少なく、目視で観察するのは困難です。そこでスナメリの出す声を録音して、スナメリの数や群れサイズ、生息場所の季節変化や年間変動について調べています。

一瞬、海上に姿を現したスナメリ


教員一覧に戻る

PAGE TOP