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Department of International Economics

グローバル人材育成プログラム「ニュージーランド経済とビジネスイングリッシュ」現地研修報告第2弾!

 福山大学の学生12名、教員2名(ビセット準教授萩野教授)は、標題のプログラムの一環として、2月16日から、ニュージーランドにおいて現地研修を行っています。

 リンカーン大学でのアグリビジネス・英語の事前学修の後、第2週目には企業・官庁訪問を行いました。第2週目の様子を報告します。
第1週のレポートはコチラ

 2月25日の土曜日、一同は、クライストチャーチのホストファミリーとお別れし、オークランドに向かいます。ニュージーランドにおける日本デーのイベントに参加するためです。翌日の日曜日が開催日で、大変な賑わいでした。今回は5万人を超える集客があったそうです。学生は、日本人ワイナリーや餅つき等のブースで、来客者に英語で各々の物産の説明を行いました。何を隠そう、もち米を栽培している福山大学では、学生は餅つきが得意技なのです。


 2月26日午前、オークランドにオフィスがある三菱商事ニュージーランドを訪問しました。前日の日本デーイベントで大活躍をされていた、同社清水さんから、ニュージーランドの政治経済について話を聞きました。オークランドは、魅力のある都市で世界第3位にランクされており、近々、米国ハワイとの間で海底ケーブルが敷設される予定であることから、IT専門家がどんどん移住してくるのではないか、とのことでした。その後、福武總一郎氏による講演を聞きました。同氏は、岡山出身、ベネッセコーポレーションの社長をされていましたが、8年前にニュージーランドに移住して来たそうです。ニュージーランドの特色は、透明性が高く、国を信頼できることであって、「国民が分をわきまえた資本主義国」だとのことでした。学生に対しては、井の中の蛙にならないよう海外に関心を持って欲しいが、単なる物見遊山の海外旅行ではなく、日本と海外を比較して勉強するべく海外を訪問して欲しい、また、日本のこと、地元のことをしっかり勉強して欲しい、とのアドバイスを頂きました。また、「瀬戸内海が日本で一番美しい」との思いから、30年をかけて直島を立て直す取り組みをされたそうで、直島は、今や外国人観光客から高く評価されるに至っています。一同、地元への思いを深めたところです。


 2月27日には、マスタートンに移動し、JUKEN New Zealand(JNL)のワイアパラ製材工場や同社の植林場であるポロポロフォレストを訪問しました。JNLの親会社は、広島県廿日市市にあるWood oneです。現社長が就任した際、木を第一に考えるという意味で、社名を住建工業からWood oneに変更、ただ海外では、JUKENで社名が通っていたことから、敢えて社名を変更しなかったとのことでした。ワイアパラ工場では、住宅向け無垢材およびLVL(Laminated Veneer Lumber、短板を積層した合板)を製造しています。無垢材については、フィリピンでさらに加工を行ったうえで、日本に輸出しています。無垢材は、植林場で枝打ちをしながら節のない材木を作っているのですが、その枝打ち作業を、女子学生も挑みました。なかなか筋が良いと褒めて頂きましたが、3本枝を切るのでヘトヘトです。本職は、数人で日々200本の枝打ちを行い、暑い日などは過酷な作業になることから、暑さに強い太平洋の島の方々を出稼ぎ労働者として雇用しているとのことでした。


 2月28日は、ウェリントンに移り、ニュージーランド第一次産業省を訪問して、ニュージーランドにおける農林水産分野での研究開発について、具体的なプロジェクトの内容を聞きました。一例を挙げると、クラウドを活用して農産物需要と農業生産を結びつける農業のシステム化とか、マヌカ蜂蜜の生産増進・医療での利用、低アルコール(本来13%程度を8%程度に低減)ワインの品質向上、非飽和脂肪酸であるオメガ酸の多いラムの開発、マオリの伝統技術を利用した免疫機能を高める酵素の研究、などです。食品栄養や薬学を専攻している学生が、化学記号を含め、分かり易く解説してくれました。経済学の観点では、「農業従事者の減少を食い止めるためには、高付加価値化により農家収入を上げることが最も有効な対策」、「競争力のある農産物の生産に特化するのが、最も有効な食料安全保障策」といった、ニュージーランドの攻めの政策が参考になります。日本の農業は、「21世紀の技術を用い、19世紀の哲学で運営しているように見える」とか。


 その後、南島のピクトンにフェリーで移り、3月1日に、King Salmon社の鮭養殖場を訪問しました。養殖は、餌やりが最大のポイント。餌をやり過ぎると、費用がかさんでしまうことに加え、食べ残しにより海水が汚れ病気の原因になることから、適量管理が重要。水中の様子をモニターで監視しながら、マニュアルで管理しています。そうした管理をAIに置き換えることができるか、と問うてみましたが、鮭の食欲の有無は、人間には分かるが、AIには判別できないから無理だ、とのことでした。人類に属する一員として、少し自信を取り戻しました瞬間でした。養殖場の最大のリスクは、網を破って鮭を食べにくるアシカ。でも、保護動物であることから対処のしようがないとのこと。ひどい話だ、との思いを胸に帰ろうとしたところ、可愛いアシカに出会ってしまい、何とも複雑な心境になってしまいました。なお、この養殖場では、従業員は、1週間養殖場に泊まり込みで働き、その後1週間は、街に帰って休暇を楽しむというシフトを取ります。日本の大学生をインターンとして預かることも可能だとのことでした。養殖場での泊まり込み、チャレンジしてみませんか?



 一同は、3月2日にニュージーランドを発ち、福山に帰りました。今回参加してくれた学生達は、時間厳守で研修を主体的に進め、議論においては積極的に質問をし、宿泊先では海外の若者との交流を深めました。大変、意義のある研修であったと思います。他方、英語力をはじめ、様々な課題も自覚したことと思います。今後、課題を乗り越えるための日々の努力を期待したいです。何れにしても、参加学生の感想としては、「ニュージーランドサイコー!」ということでしたので、また、こうした研修を企画して行きたいと思います。

 最後になりますが、本研修の趣旨を理解し、財政援助を決定して下さった広島県庁の方々、研修の実現に協力してくれたニュージーランド教育庁や在日ニュージーランド大使館の政府の方々、研修を受け入れて頂いたニュージーランド第一産業省や日系企業の方々、本当にありがとうございました。


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