スマートフォン用タイトル画像

大学概要 > 情報公開 > 『学生による授業に関するアンケート』の集計結果から--学生にとって分かり易い授業を行うために--

大学概要 情報公開
FUKUYAMA UNIVERSITY Information

『学生による授業に関するアンケート』の集計結果から--学生にとって分かり易い授業を行うために--

平成16年9月22日
福山大学自己評価委員会

はじめに

福山大学では授業の改善を目的として、平成15年12月に、本学専任教員が行っている後期授業について『学生による授業に関するアンケート』を行った。調査対象の選定は学部長と学科長に依頼し、284授業でアンケートを行った。

質問は18項目で、回答は選択肢を選ぶ方法とした。調査対象学生は延べ2万人を越えるため、アンケートはマークシートにチェックを入れる方式とし、集計を業者に依頼した。また、アンケート用紙には『自由記述欄』を設け、授業に関して特に意見がある場合には記入できるようにした。アンケート用紙を文末に添付している。

284授業で17、396枚の回答を得た。授業毎の集計に際して、可能な項目については点数化した。全学、学部毎および学科毎に各回答の平均値を求め、その結果を全教員に公表した。また、個々の授業の改善に役立てるために、授業毎の集計結果を学部長と学科長をとおして担当教員へ知らせた。

ここでは、集計結果に基づいて、学生にとって“分かり易い授業”とはどのようなものであるかを調べた。

アンケートの回答の点数化

『質問(7) この授業は全般的に分かり易かったですか?』のような、程度を問う質問の選択肢には、『・分かり易かった ・ほぼ分かり易かった ・やや分かりにくかった ・分かりにくかった』の四段階を設けた。安易な回答を避ける目的で、『普通』という選択肢を設けなかった。そこで、一般になじみの深い五段階評価の点数で表すために、次の換算作業を行った。分かり易かった=5点、ほぼ分かり易かった=3.67点、やや分かりにくかった=2.33点、分かりにくかった=1点として、回答された選択肢の数に各点数を掛け、その総計を回答数で割った値を点数とした。質問(4)~(6)、(9)~(11)および(15)~(18)についても、同様に点数化した。

一方、『質問(8) この授業の進度は適切でしたか?』では、選択肢に『・適切だった ・速かった ・どちらかというと速かった ・どちらかというと遅かった ・遅かった』を設けた。これらは前述のようには点数化できないため、『適切だった』という回答の割合(%)を求め、100点満点で表した。質問(12)も同様に扱った。

『授業の分かり易さ』についての学生の評価

『質問(7) 授業は全般に分かり易かったですか?』の回答では、3授業で最高の5点であり、最低は1.3点であった。全ての授業の点数を単純に平均すると3.5点であった。
点数を、【5】5-4.2、【4】4.19-3.4、【3】3.39-2.6、【2】2.59-1.8および【1】1.79-1の五段階に分け、それぞれに該当する授業数を棒グラフで示した(図1)。


図1『授業の分かり易さ』の点数別の授業数


図1のように、【5】や【4】と高い評価を得た授業は、それぞれ48と111であった。これは、調査した全授業の59%にあたる。また、【3】以上の評価を得た授業は86%であった。このように、ほとんどの授業について“分かり易い”という評価を得た。しかし、14%にあたる40授業が、【2】や【1】の低い評価であった。

そこで、学生にとってどのような授業が“分かり易い授業”なのかを知るために、各質問に対する回答の間の関連を調べた。

『受講者数』と『授業の分かり易さ』との関係

調査した授業の『受講者数』は最少5名から最大476名と幅広く分布している。そこで、『受講者数』と『授業の分かり易さ』との関係を調べるために、横軸に『受講者数』を、縦軸に『授業の分かり易さ』の点数をとり、各授業のそれぞれの値に相当する位置に点をプロットした(図2)。


図2『受講者数』と『授業の分かり易さ』の関係


図中でAの印を付けた授業では『受講者数』が340名余りと多いが、『授業の分かり易さ』は4.5点と高い評価を得た。一方、Bの印を付けた授業では『受講者数』は60名弱であるが、『授業の分かり易さ』は1.3点と低い評価であった。また、同じ人数の授業でも点は広く分散しており、特定の傾向は見られなかった。このことは、『受講者数』は『授業の分かり易さ』にはあまり関連せず、個々の授業での教授法が『授業の分かり易さ』に大きく影響していることを示している。

『総合評価』と『授業の分かり易さ』および『私語』との関係

アンケートでは最後に『質問(18) この授業に対するあなたの総合的な評価を四段階で示してください』と質問し、選択肢に『・満足した ・ほぼ満足した ・やや不満であった ・不満であった』の4つを設けた。そこで、『満足した』を5点として点数化した。横軸に『授業の分かり易さ』の点数を、縦軸に『総合評価』の点数をとり、各授業をプロットした(図3)。

また、『質問(15) この授業で私語についてはどうでしたか?』では、選択肢に『・まったく無かった ・少しはあった ・かなりあった ・授業が聞き取れないくらいあった』を設けた。これについても『まったく無かった』を5点として点数化した。従って、私語については点数が高いほど静かな授業であることを意味している(図4)。



図3『授業の分かり易さ』と『総合評価』との関係



図4『私語』と『総合評価』との関係


図3のように、『総合評価』は5点から1.9点まで分布していたが、『授業の分かり易さ』の点数が高いほど『総合評価』の点も高くなっていた。また、プロットした点は図中の直線に沿ってばらつきが小さいことから、『授業の分かり易さ』と『総合評価』には密接な関連があることが示された。

一方、図4のように、『私語』は5点から3.1点までの分布であり、3点以下は無かった。このことは、調査した授業では『私語』がひどい授業はほとんど無かったことを示している。また、『私語』と『総合評価』の関係ではプロットした点は分散しており、『私語』の程度と『総合評価』には関連性がなかった。

『授業の準備』『板書の仕方』『話し方』『授業の進度の適切さ』
および『教科書の適切さ』と『授業の分かり易さ』との関係

アンケートに、『質問(8) この授業の進度は適切でしたか?』『質問(9) この授業はよく準備されていたと思いますか?』『質問(10) 教員の話し方は明瞭で聞き取りやすかったですか?』『質問(11) 板書の仕方は適切でしたか?』および『質問(12) 教科書・参考書は適切でしたか?』を設けた。質問(8)と(12)については、100点満点で点数化している。『授業の分かり易さ』とそれぞれの回答との関係を調べた(図5~9)。なお、5枚の図は関連性が高いものから順に掲載している。


図5『授業の分かり易さ』と『授業の準備』との関係



図6 『授業の分かり易さ』と『板書の仕方』との関係


『授業の準備』は全ての授業で3点以上であった。このことは、各授業担当教員の『授業の準備』について学生は高い評価をしていると思われる。しかしその中でも、『授業の準備』の点数が高いほど、『授業の分かり易さ』の点数が高くなるという密接な関連があることが示された。

『板書の仕方』は5点から1.7点まで分布した。また、『板書の仕方』の点数が高いほど、『授業の分かり易さ』の点数が高くなることが示された。


図7 『授業の分かり易さ』と『話し方』との関係


『話し方』は5点から1.9点まで分布した。また、『話し方』の点数が高いほど、『授業の分かり易さ』の点数が高くなることが示された。


図8 『授業の分かり易さ』と『授業進度の適切さ』との関係


『授業進度の適切さ』は100点から6点まで分布していた。図8のように、プロットした点のばらつきは大きいが、『授業の進度の適切さ』の点数が高いほど『授業の分かり易さ』の点数が高くなることが示された。


図9 『授業の分かり易さ』と『教科書の適切さ』との関係


図9のように、『教科書の適切さ』と『授業の分かり易さ』との間ではプロットした点が分散しており、両者には関連性がなかった。

『教員の熱意』および『学生の受講態度』と『授業の分かり易さ』との関係

アンケートでは、『質問(16) この授業で、担当教員の熱意を感じましたか?』と『質問(5) あなたは、この授業に積極的に取り組みましたか?』を設けた。これらの回答の点数と『授業の分かり易さ』の関係を調べた(図10、図11)。


図10 『授業の分かり易さ』と『教員の熱意』との関係



図11 『授業の分かり易さ』と『学生の受講態度』との関係

『教員の熱意』では、全ての授業で2.9点以上であり、全ての教員は『熱意』を持って授業を行っていると学生は評価していた。しかしその中でも、図10のように『教員の熱意』が高いほど『授業の分かり易さ』の点数が高くなることが示された。

図11のように、『学生の受講態度』は5点から2.6点まで分布していた。『授業の分かり易さ』の点数が高いほど、『学生の受講態度』が積極的になる傾向が示された。

おわりに

平成15年度後期開講の284授業について実施した『学生による授業に関するアンケート』の集計結果を基に、学生にとって“分かり易い授業”とはどの様なものであるのかを質問項目に対する回答間の関連から調べた。

その結果、教員が“授業の準備をよくして”“聞き取りやすい話し方で”“上手な板書で”“適切な授業進度で”そして“熱意を感じる”授業を行うことが、学生にとって“分かり易い授業”となるために重要であることが示された。

また、“分かり易い授業”を行うことで、“学生の受講態度”が積極的になることが示された。

ここで行った分析が、個々の授業の改善に少しでも役立つことを期待している。また、アンケート用紙の『自由記述欄』に記載された学生の意見も真摯に受け止めて、各教員が教授法の改善に取り組むことを願っている。


PAGE TOP