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分かり易い授業をめざして 平成18年度「学生による授業に関するアンケート」の結果から

平成19年6月
自己評価委員会

平成19年2月に本学専任教員の担当する後期授業科目について「学生による授業に関するアンケート調査」を行なった。本調査は本学における教育の改善の一環として17年度後期に引き続いて実施したものである。
 質問項目は前回とは少し異なっている。今回は講義科目に関してのアンケートの他に、実験・実習・演習科目に関してのアンケートを実施した。回答の方法は、前回同様マークシ-ト方式と自由記述欄への意見記入の方法を採用した。調査対象科目は、学部長および学科主任に依頼した結果、講義科目は281科目、実験・実習・演習科目は29科目となり、それぞれについてのアンケート結果を集計した。可能な項目については五段階評価を行なうなど回答を点数化し、講義科目と実験・実習・演習科目のおのおのについて、全学、学部毎、学科毎に平均値を算出した。個人の結果は授業改善に役立てるためにそれぞれ全教員に伝えた。
 ここでは、学生にとっての授業の満足度とアンケートのいくつかの質問項目との関連について紹介する。

I.講義科目に関して

  1. 学生の授業に対する満足度
    全ての授業科目について学生の満足度の五段階評価の平均値は3.97で前回の4.04より数値としては少し下回ったが、ほぼ前回並みだとみなせる。全学を平均的にみれば「満足したあるいはほぼ満足した」状況が伺われる。しかし、一方で学生の希望や要望は多様であり、また常に変化していることを考慮すると、状況に応じた教育目標を実現してゆくために不断の授業改善を心がけることが必要であると考える。
  2. 各質問に対する回答間に見られる相関関係
    学生にとって満足できる授業とはどんなものであるのかを推しはかるために、各質問に対する回答の相 互の関連性を調べた。相互の関連を見るに当たって、数値化しにくい質問項目は評価対象項目から省いた。各項目に対する回答の相関係数から、満足度との関連では、授業の分かり易さ、授業への関心度、話し方や板書、また教員の熱意などが強い関連性を示した。
  • 「授業の分かり安さ」と「満足度」の関係
    授業の分かりやすさは多くの質問項目と関連し、最も重要な項目である。図1に授業の分かり易さと満足度の関係を示した。授業の分かり易さと満足度には強い相関関係(R=0.91)が見られ、前回と同様な値であった。授業の分かり易さに比べて満足度が大きい傾向がうかがえる。また、現状では66%の学生が「分かり易い」もしくは「ほぼ分かり易い」と評価しているが、前回は70%であった。前回よりも評価が少し落ちたと考えられる。この事実を厳粛に受け止め、分かり易い授業が開講できるように努力をすべきであろう。

図1 授業の分かり易さと満足度の関係


図2 授業への関心度とやる気の関係

  • 「授業への関心度」と「やる気」の関係
    図2に授業への関心度とやる気の関係を示した。73%の学生が「非常に興味・関心の持てる授業であった」と「興味・関心の持てる授業であった」と答え、授業への関心度とやるきには高い関連性(相関係数R=0.93)が見られた。
  • 「授業への関心度」と「満足度」との関係
    これは講義に関する質問であるが、授業への関心度と満足度の関係を図3に示す。授業への関心度と満足度の相関係数はR=0.87であった。授業への関心度に比べ満足度が大きい傾向がうかがえる。授業への関心度の評価は、授業内容や進め方に依存すると考えられる。

図3 授業への関心度と満足度の関係

  • 「板書の仕方」と「満足度」の関係
    板書の仕方と満足度の関係を図4に示す。板書の仕方と満足度の相関係数はR=0.78であった、板書は学生が講義の要点を整理し理解するうえで重要度の高い情報源であり、それに対する認識の程度を反映している。講義の分かり易さや満足度は授業方法に関連するこれらの項目への評価を直接反映しており重要である。

図4 板書の仕方と満足度の関係

  • 「教員の話し方」と「満足度」の関係
    図5に教員の話し方と満足度の関係を示す。教員の話し方と満足度の相関係数はR=0.84であった。教員の話し方の評価は、声の大きさや目線あるいは間合いの取り方などを反映した結果と言える。

図5 教員の話し方と満足度の関係


図5 教員の話し方と満足度の関係

  • 「教員の熱意」と「満足度」の関係
    学生の学びたい意欲に教員が積極的に答えることは自明である。図6に教員の熱意と満足度の関係を示す。教員の熱意と満足度との相関係数はR=0.84であった。今回の調査では、教員の熱意に対して85 %の学生は「熱意が感じられたあるいはほぼ熱意が感じられた」と答えている。前回の92%よりも7ポイント下がっている。教員の熱意のわりに満足度は低く現れる傾向が見られる。なお直接関連付けることは難しいが、学生は、教員の熱意について、講義中の熱心さに加えて、レポート課題の取扱い、質問時の対応など総合的に判断しており、少なくとも分かり易さや満足度とかかわる信頼感の形成と関連していると思われる。

II.実験・実習・演習科目について

  • 「目標理解」と満足度の関係
    目標理解と満足度の相関係数はR=0.73であった。 
    目標の理解度が中の上程度の学生の満足度は4ぐらいである。

図7 目標理解と満足度の関係

  • 「演習態度」と「満足度」の関係
    演習態度の満足度の相関係数はR=0.76であった。
    演習態度は一般に良いようであるが、満足度はもう一歩のようである。

図8 演習態度と満足度の関係


図9 教員の熱意とコミュニケーションの関係

  • 「教員の熱意」と「コミュニケーション」の関係
    教員の熱意とコミュニケーションの関係の相関係数はR=0.71であった。
    教員の熱意は一般にあると考えられ、熱意とコミュニケーションとはほぼ比例関係にあるようである。

おわりに

以上見てきたように、福山大学の学生は全体としては授業に対して、わかりやすく満足できるものであるとの評価を示している。しかしながら、個々の授業についてみると、「わかりにくい」、「聞き取りにくい」とされた授業もあり、学生の満足度の低い授業も少なからずあった。これらの授業については、「当然分るべきである」、「分らないのが悪いのだ」という姿勢やマイペースの姿勢を改め、学生の満足度の高い授業を目指して教員同士での検討などによって互いに切磋琢磨し、早急に授業を改善することが強く望まれる。
 全体に、専門科目よりも専門のための基礎を教授する専門基礎科目に「わかりにくい」という声が多いように見受けられた。専門科目の理解のためにどうしても必要な事柄を教え込む授業であるため、単調になりやすく、また低学年次に行なわれるため、学生の学力差が目立ち、難しい授業であるが、教える側の工夫のしどころでもあろう。
 今回の質問事項を授業の内容、方法、 熱意などの視点から眺めると、現在の学生は「明解な内容」で「適切なテンポ」で「メリハリを付けた」授業を求めている傾向のあることも見てとれる。アンケートの結果に謙虚に耳を傾け、今後の授業改善に役立てることが重要である。


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