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FUKUYAMA UNIVERSITY Information

平成22年度「学生による授業評価アンケート」 に関する報告と学生への対応について

福山大学自己評価委員会

平成22年度の「学生による授業に関するアンケート調査」では、アンケート項目は前年度を踏襲し、調査結果を前年度に引き続き当該授業期間中に学生へ必ずフィードバックすることを重要課題として実施した。授業担当教員が学生による授業アンケートの結果を踏まえて、授業の改善を試み、学生に説明責任を果たすためのものである。そのため、アンケート調査の実施時期は学生のフィードバックする時間と授業の進展度合いの兼ね合いを考えて決定した。学生による授業評価と学生への結果のフィードバックは、福山大学の教育改革にとって不可欠であり、全教員(非常勤講師も含む)が授業評価を年1回受けるものとしている。授業アンケート調査は前期と後期に実施した。各教員は原則として前期または後期のいずれかで最低年1回は授業評価を受けることになっている。平成22年度も、アンケート調査の結果を速やかに集計し、前期は7月に後期は12月に各学部に通知することができた。

アンケート結果の概評

授業アンケートの実施方法は、マークシート方式と自由記述欄への意見記入の方法を、今までと同様に平成22年度も採用した。調査対象科目は264科目で、全受講者数(17,526)に対してアンケート回収数(13,032)であり,回収率は74.4%であった。下表には、各評定項目に対する各学部・大学教育センター(一般教養科目)と全体の平均を示している。

表 各学部と全体の平均
  経済学部 人間文化学部 工学部 生命工学部 薬学部 大学教育センター 全体
授業のわかりやすさ 3.8 4.03 3.61 3.87 3.71 3.76 3.76
授業への関心度 3.77 3.89 3.64 3.81 3.68 3.67 3.72
進度の適切さ% 71.5% 76.8% 69.3% 79.6% 69.5% 72.9% 71.5%
教員の話し方 4.08 4.35 4.08 4.12 4 4.08 4.09
板書の仕方 4.13 4.14 4.08 4.04 3.98 3.85 4.02
教科書の適切さ 79.8% 85.7% 77.8% 87.0% 86.2% 78.4% 82.8%
時間を守った割合% 92.6% 94.3% 94.1% 94.4% 96.4% 89.7% 93.8%
教員の熱意 4.33 4.2 4.13 4.3 4.22 4.11 4.22
質問への対応 4.59 4.6 4.44 4.56 4.52 4.96 4.53
学生の満足度 4.13 4.21 3.97 4.14 3.97 3.96 4.08

学生の満足度に関しては、経済学部は4.13、人間文化学部は4.21、工学部は3.97、生命工学部は4.14、薬学部は3.97、大学教育センターは3.96であった。全学での平均値は4.08となり、前年度が3.88であったので、0.2だけ上昇したことになり、前年度より若干良い結果が得られた。学生は授業に対して「満足した、あるいはほぼ満足した」という状況にあることが伺われる。学生の学力の差が近年ますます大きくなっている現状において、教育の質を保証できるように、不断の授業改善をなお一層心がけることが必要である。

評価結果のフィードバックについて

授業評価アンケートの集計結果及び自由記述については、学部選出委員を通して各学部・各学科の全教員にフィードバックすることとした。その際、各学科で評価結果を共有して今後の対応を考えてもらうこと、また個々の教員から授業期間内に学生に結果をフィードバックして今後の改善策を説明することをお願いした。自由記述欄の意見についても、フィードバックしたが、その扱いについては学部・学科の判断に委ねた。22年度は、全教員から「授業評価アンケート調査結果と当該授業の改善策の学生へのフィードバックについて」を学科主任に提出してもらうこととし、それを基に学科ごとに対応を検討し、その結果を学部でとりまとめて報告してもらった。その結果を以下に記す。

I.経済学部

 経済学部でのアンケート実施科目数は前期が37科目(37名の教員)、後期が15科目(15名の教員)であった。アンケートの各項目を全学平均と比較すると9項目が上回っており、質問7(授業時間を守っている割合)だけが1ポイントマイナスであった。標本数が多くなるほど平均値が下がる傾向であることを考慮すると、経済学部の結果が満足すべきであるとまでは言えない。
 次に経済学部自身の昨年度平均と比較して見ると数値が改善しているものは質問1(授業の分かりやすさ)+0.08、質問2(授業への関心度)が+0.14、質問4(教員の話し方)+0.10、質問5(板書の仕方)+0.18、質問6(教科書の適切さ)+2、質問8(教員の熱意)+0.11、質問9(質問への対応)+0.08、質問10(学生の満足度)+0.10の8項目であった。質問3(授業の進度)は変化なし、また質問7(授業時間を守っている割合)だけが93%から92%になった。全体的に改善の跡が見られる。特に+0.1以上の改善については学部の授業改善への取り組みの効果が次第に現れてきたと言えよう。
 授業改善への取り組みとして行ったことは、まず学部内に教育改善委員会を設けたことである。委員会というものの全教員がメンバーであり、適宜問題点について話し合いの場やメーリングリストでの意見交換を行ってきた。また、授業評価を適正に行うということを学生に周知徹底させた。真面目に授業に取り組まなければ落ちこぼれてしまうという危機感を抱いた学生がじっくりと学習に取り組むようになり、授業への関心が高まりつつあることを感じ取ることができる。厳しくする一方で例えば、経済学入門Iを落とした場合の再履修を次年度前期まで待たずとも後期に再チャレンジする機会を与えるための開講を複数の科目で実施するようにしてフォローするようにした。
 次に、後期実施分についても簡単に述べる。後期の対象科目は15科目であった。前期に比べて少ないが専任教員の科目は殆ど前期調査の対象としたためである。これを前期の結果と比較すると総合点ともいえる質問10(学生の満足度)が+0.11と高い評価であるが、質問9(質問への対応)が極端に低くなっている。この時のこの質問の全学平均は2.93、経済学部内では経済学科3.64、国際経済4.23、税務会計が5.0であった。経済学科の一部に低い値があり学科全体を引き下げた。
 以上のような結果分析を行った上で、全教員の結果を全員に開示し、学科毎に話し合った。学科主任から必要に応じて指導を行った。また、非常勤も含め全員に結果のフィードバックを学生に対して行うように指示した。概ね全員がフィードバックを行ったと思われるが、フィードバック実施の報告が一部非常勤講師からなされていない分がある。今後の課題としたい。22年度は学期末にフィードバックができるような日程で実施したことは前年度に比べて改善された。

II.人間文化学部

人間文化学部は、前期は19科目、19名の教員(人間文化学科7科目、7名の教員、心理学科5科目、5名の教員、メディア情報文化学科7科目、7名の教員)が、後期は11科目11名の教員(人間文化学科5科目、5名の教員、心理学科3科目、3名の教員、メディア情報文化学科3科目、3名の教員)が、学生による授業評価アンケートを実施した。

<人間文化学科>

授業評価の概評
  1. 授業方法には多くのバリエーションがあるにもかかわらず、紋切り型の質問が多いために授業の本来の姿を評価できない部分もあると考えられる。
  2. 授業評価は、原則として全科目を対象に行わなければ厳密な意味での授業評価にはならない。
  3. 集計資料の第一次資料としては、個人票として、授業評価を受けた教員全員に配布されるべきである。
授業評価の方法について


  1. 授業方法には多くのバリエーションがあるにもかかわらず、紋切り型の質問が多いために授業の本来の姿を評価できない部分もあると考えられる。
  2. 授業評価は、原則として全科目を対象に行わなければ厳密な意味での授業評価にはならない。
  3. 集計資料の第一次資料としては、個人票として、授業評価を受けた教員全員に配布されるべきである。

学生へのフィードバックについて

学生へのフィードバックの方法は教員にまかせている。問題と思われる箇所については、それぞれの教員が適切に改良を行っている。

<心理学科>

授業評価の概評

 心理学科の授業に対する評価は概ね好評を得ており、全学的にも高い部類に入る。その中で3名の教員は「授業のわかりやすさ」と「満足度」が4.5を越えており、極めて優秀である。教員間のばらつきもさほど大きくなく、学科内である程度の授業の質は保たれていると考えられる。今後の改善点や検討課題として、次のようなことが指摘される。

  1. 評価の高い教員のノウハウを参考にしてさらなる改善を目指す。
  2. 授業での双方向のやりとりや受講カード(質問カード)を利用したコミュニケーションにより学生の理解と動機づけは高められると言えるので、すべての授業でそのような方法を心がける。
  3. 授業の進度が速すぎる、内容が難しすぎると感じる学生も一部見られるが、個々の学生の理解度に配慮しつつもレベルを保つことも必要であろう。
  4. 板書とパワーポイントによる授業には一長一短あるが、学生の意見を聞きながらより良いプレゼンテーションを目指すべきである。
  5. 他学科の学生や再履修の学生がいる場合には、補助教材の提示など、特に配慮が必要である。
授業評価の方法について
  1. 学生の評価は自分たちにデメリットとなること(授業時間の延長)に関しては厳しい傾向が見られる。授業評価の本来の意義から言えば、「講義内容を今後どの程度生かせるか」などの質問や、授業の前後でモチベーションの変化を見るような質問を加えることが望ましい。また、授業方法には多くのバリエーションがあるにもかかわらず、紋切り型の質問が多いために授業の本来の姿を評価できない部分もあると考えられる。
  2. 現行の授業評価は講義科目に限られており、卒業時に習得させるべき知識・技能・態度が本当に身についているかという総合的な見地から授業評価を考える必要がある。
  3. 授業評価は年々向上しているが、真に授業が改善されたのかマンネリ化が起こっているのか見定める必要がある。
学生へのフィードバックについて
 

心理学科ではフィードバックの方法は教員にまかせている。ある科目では、すべての項目について当該科目の結果を学生に知らせ、教員自らの感想と課題を述べる。また、ある科目では担当科目と全学平均の2つの棒グラフにして提示しながら説明し、学生の意見を求めるなど、授業評価を今後にいかす試みを行っている。

<メディア情報文化学科>

授業評価の概評

メディア情報文化学科の関連科目においてはすべての項目で、全学平均を上回っており、一昨年度、昨年度の授業評価結果を受けて取り組んできた成果が表れていると考えられる。また、学科内である程度の授業の質は保たれていると考えられる。メディア情報文化学科では各学習者にとって実技や制作及び課外活動などの学習成果が具体的に見えることも、肯定的な授業評価に反映されているのではないかと考えられる。ただ、分かりやすさや関心、満足度など個別に見ると、科目や教員によるばらつきがあることは否めない。22年度の授業評価を踏まえて、今後の改善点や検討課題として、次のようなことが指摘される。

  1. 教員の話し方(活舌・発声を含む)、板書の仕方、授業進度、補助資料やスライドなどの資料作成などの授業技術・方法と、授業への関心度(内容についての評価)は別であるので、両面を分けて考慮する必要があること。
  2. ワークショップ型授業(学生参加型、共同学習型)の授業で学生の満足度も高くなる傾向がある。この形式は教員の事前準備や運用力量が求められる。一方、学生には主体的活動が求められ、日本語能力の力量が問われる。留学生や日本語力の低い学生には特別の配慮が今後も必要であること。
  3. 学習への動機づけとして、学問的な内容と日常生活や将来の職業像との結びつきについてもっと触れ、学生の興味を引きつける必要があること。キャリアデザイン教育の一環としてゼミや授業などで、イメージをわかせる工夫をさらに行うこと。
  4. 授業の進度が速すぎると感じる学生が若干名いること。日本語力に課題がある留学生及び基礎学力面で課題のある学生へは、理解度やペースにこれまで以上配慮しなければいけないこと。一方、易しすぎると感じる学生もいること。個々の学生が学習成果を実感できる手応えを与える方途を、工夫し、学習の進度、レベルを再検討すること。
  5. 学生の理解と知識・技術の定着を改善するために、一部履修年次及び単位時間数を再検討する必要があること(例えば、制作実習系科目など)。
授業評価の方法について
  1. 授業評価が高かったわりに学生の試験の成績が良くないという場合もあり、授業評価によって明らかになることだけでなく、授業の良否の指標となる手掛かりをより多面的に収集して授業の改善に臨む必要がある。
  2. 教員各自の授業での改善策や学科としての取り組みを学部全体あるいは全学的規模でノウハウを共有する機会を創る必要がある。
学生へのフィードバックについて

学生へのフィードバックの方法は教員に任せている。ただし、理論系基幹科目では学生の興味・関心がやや低い傾向が見られたので、別途具体的な意見を聞き取るなどして、原因と対策を検討すること。

III.工学部

<電子・電気工学科、電子・ロボット工学科>

電子・電気工学科、電子・ロボット工学科では、前期3教員3科目、後期5教員5科目(内1科目は非常勤)で授業アンケートを実施し、平成23年1月の後期授業終了までに全教員が学生に対するフィードバックを完了した。当学科の調査結果では自由記載が全く無かったため、フィードバックの内容は、

電子・電気工学科、電子・ロボット工学科では、前期3教員3科目、後期5教員5科目(内1科目は非常勤)で授業アンケートを実施し、平成23年1月の後期授業終了までに全教員が学生に対するフィードバックを完了した。当学科の調査結果では自由記載が全く無かったため、フィードバックの内容は、

  1. 学生に対し調査結果の分析から得た知見を述べる。
  2. 分析結果に基づく改善点(反省点)を学生に宣言する。
  3. 必要に応じて、各教員の持つ授業に対するポリシー(何故、そのような授業形態や板書方法を行うのかなど)をも学生に説明し、教員の意思を学生に伝え、よりよい授業を構築するための相互理解を図る。
  4. 授業の理解度の向上のために試験準備の指導を徹底し、勉学及び教科に対する意欲の向上も視野に入れた定期試験後のフォローアップを積極的に行う。

というものであった。

 電子・電気工学科、電子・ロボット工学科では、例年、後期授業アンケート結果が判明し、全教員のスコアが揃った時点で、全学、学部、学科の平均スコアと比較できる形で、表及びレーダー図(以下に一例を掲載する)を用いて、学科内の各教員の結果を教員間で開示した。学科全体としての傾向分析を行うとともに、それに基づいて個々の状態を検討し、各人の教授技能を相互認識することを行っている。因みに、22年度は学科全体としては、それほどの優位差はないものの、全ての項目で下図に示すように全学平均、学部平均ともに上回っている。調査対象科目が全て数式を扱うものであることを鑑みると良好な結果といえ、教員の努力が表れているものと判断できる。これまでの長期的なフィードバックの取組が有効に作用しているといえる。

 最後に、後期に行われた「学生の自己評価」の結果との照合で、学生の勉学時間の不足が認められた。勉学意識向上に向けた教員と学生の相互の努力を継続的に行う必要があると判断している。



<建築・建設学科>

 建築・建設学科では、前期12科目、12名の教員、後期5科目、5名の教員が授業アンケートを実施した。
 授業評価アンケート結果のフィードバックについては、前期及び後期ともに、自由記入欄も含めて学科内で情報の共有に努め、各教員が結果の分析と授業改善の方法を策定し、学生に伝達するとともに意見を求めた。また、前期に評価を受けた教員は後期の講義にフィードバックさせ、おおむね学生の好評を得ている。
 授業評価アンケート結果から、学科全体として見た場合、工学部平均あるいは大学平均と大差はないことが判断される。学科の教員の教授法、熱意や質問に対する対応はかなり良好な傾向にあるが、授業の理解度が学科平均を下回る科目やこれに関連すると思われる講義の進度が速すぎると評される科目もある。
 これらの問題は、教員が大学で教えるべき内容を時間内に講義しようとすると進度が相対的に速くなる傾向や履修上、求められる学生の基礎学力の低下や授業準備(予復習)不足にも起因していると考えられる。このため、授業改善には担当教員の授業方法・技術の問題だけでなく、いろいろな角度からの策定が必要と思われる。具体的な改善策として、講義進度を落とし、必要最小限の丁寧な説明に努めること、講義内容に関する興味・関心の喚起と学習意欲の向上を狙いとした具体的事例を挙げることなどが考えられる。
 また、実習、演習科目においては学生の進行状況の把握に努めて進度を適切にするだけでなく、学習到達目標と内容の質的向上に基づく内容の見直し、TAとの連携改善による学生への対応向上などが考えられる。さらに学年間の交流を活性化することにより、専門科目に対する認識を広げられるような方策も考えられる。
 各科目の評価結果に基づく個々の問題点については担当教員が改善策を提示し、今後の具体的な講義改善についての取り組みを学生に説明して順次実施した。しかしながら、担当教員は講義方法の改善努力をすることだけでなく、学生自身が学士力を身につけて社会で活躍する人材となるための倫理的態度について教授することも必要である。当然のことながら、授業内容の低レベル化や割愛などによって、大学の講義の質を落とすことによって理解度向上を図るなどはもってのほかである。
 学生自らが目的意識をもって講義に臨み、積極的に質問して理解度を深化させ、考えようとする場をつくり、彼らに積極的な学習姿勢やチャレンジ精神を植えつけるような雰囲気を教員同士が醸し出すことが今後の課題である。

<情報工学科>

情報工学科では、前期は9科目、8名の教員、後期は4科目、4名の教員が授業評価アンケートを実施した。
 学科では、総合評価に当たる満足度を特に重視しており、授業評価としては満足度が3.5以上になることを目標としている。なお、前期で、満足度の評価が3.5を下回った教員に関しては、そのアンケート結果に従う改善をうながし、後期に再度、他の科目でアンケートを実施した。なお、調査結果は、全て教室会議で公開し、問題点を議論し、授業改善の材料としている。
 アンケートの結果では、工学部の平均である3.9に対し、学科の平均が3.8と若干下回っている。また、前期及び後期で、学科の目標である3.5以下の評価となった科目がそれぞれ2科目あった。その原因は、科目間の連携不足や授業難易度の設定が原因であった。特に、新しい科目を担当した場合、その教科書の選定が不適な場合もあった。さらに、教員の減少により、各教員の持つ授業が過多になり、新しいカリキュラムに従う授業準備が満足にできないことも原因のひとつであった。また、学生の学力も大きな幅があり、特に数学に関わる科目では、よく分からない学生とよく分かる学生に二分されることがわかった。
 来年度のシラバスでは、学科の教員間で、少なくとも必修科目間の内容の確認と難易度の調整を行い、教科書の変更なども含めた授業の改善を行うこととした。そして、学生が科目間のアンバランスで戸惑うようなことがなく学習できるような改善を目指す。また、各教員の担当科目を適切な数に調整し、授業準備が十分できるように配慮することで、授業の質の向上を行うこととする。そして、数学に対しては、入学時に数学の学力検査を行い、その結果に基づき、クラス編成や学生指導を行うこととした。
 最後に、非常勤講師2名に関しては、満足度が4.0を大きく超えており、全く問題がない状況にある。

<機械システム工学科>

機械システム工学科では、前期は9科目、9名の教員、後期は9科目、9名の教員が授業評価アンケートを実施した。
 授業評価アンケート結果については、前期及び後期ともに、自由記入欄も含めて学科内で周知徹底して情報の共有に努め、結果の分析と授業改善の策定及び学生へのフィードバックについて各授業担当教員が対応した。
 授業評価アンケート結果から、学科全体的には工学部平均あるいは大学平均と大差はないことが判断される。学科内全体的には教員の熱意や質問に対する対応がかなり良好な傾向であり、一方、授業の理解度が学科平均を下回る科目やこれに関連すると思われる授業進度が速いと評される科目も目立っている。
 数式を多用する講義・演習授業に関しては、特に理解度の低下や授業進度が相対的に速くなる傾向にあると考えられる。これは、担当教員の授業方法・技術の問題だけでなく、学生がその科目を履修する上で求められる基礎学力の低下や授業準備(予復習)不足も内因していることを考慮すると、授業改善にはいろんな角度からの策定が必要と思われる。具体的な改善策として、授業進度を落として丁寧な説明に努めること、授業内容に関する興味・関心の喚起と学習意欲の向上をも狙いとした具体的事例を挙げることなどが考えられる。
 技能・態度を重視する演習科目などの授業では、内容の理解度には授業進度の影響が大きく、その改善策として、学生の演習進行状況の把握に努めて授業進度を適切にするだけでなく、学習到達目標と内容の質的向上に基づく演習量の見直し、TAとの連携改善による学生への対応向上などが考えられる。
 学生へのフィードバックに関して、理解度の低下や授業進度の問題を抱える科目については以上の改善策を担当教員の判断で採用し、各科目の評価結果に基づく個々の問題点については担当教員が改善策を提示し、今後の具体的な授業改善についての取り組みを学生に説明して順次実施した。その結果、具体的な実例や教材の提示によって授業内容に関する学生の興味・関心が一層喚起され、授業進度の調整による丁寧な説明、基礎的事項の適切な確認、理解度の自己確認を促す基礎チェック、総復習、演習課題など、さまざま工夫によって理解度が向上したことをこの改善に取り組んだ科目の担当教員が実感した。
 ここで、担当教員は授業改善の努力をすることに付け加えて、学生自身が学士力を身につけて社会で活躍する人材となることが大切で、当然のことながら理解度向上のため安易な授業内容の低レベル化や割愛はしないこと、学生自らが理解を深化するため積極的に質問する努力や考えようとする努力など積極的な学習姿勢やチャレンジ精神を期待することについても学生に伝え、複数の科目で学生の同意が得られていることを申し添える。

IV.生命工学部

<生物工学科>

生物工学科では、前期のみ13科目、13名の教員が授業評価アンケートを実施した。
 学生による授業評価アンケート集計結果を踏まえ、授業改善に向けて以下のように対応した。

  1. 授業評価結果を受けて各科目の担当教員が講義時間の中で指摘された問題点の反省と改善策について学生に説明するとともに、さらに学生からの意見を口頭で求め、今後の授業内容・方法等の改善に活かすこととした。
  2. 学科会議において、授業評価結果を学科全員で共有し、過去の授業評価結果と併せて検討を行い、今後のカリキュラム編成に活かすこととした。例えば、専門基礎の化学系科目や専門科目の基礎系科目において満足度が低い傾向が認められたので、平成24年度から実施予定の新カリキュラムの編成に際して、これらの科目の内容について作業部会を組織して議論していくこととした。

<生命栄養科学科・応用生物科学科>

生命栄養科学科では、前期に11科目、11名の教員が、また、後期には6科目6名の教員が授業評価アンケートを実施した。
 調査した全ての授業科目の評価結果を教員全員に配付し、今後の学生に対する指導や講義に反映することとした。評価項目のうち、板書の仕方や話し方、授業時間の遵守など講義の技能に関するものと、満足度のように学生の評価が必ずしも真の講義の評価に結びつかない項目があり、アンケート結果に対する講義でのフィードバックについては各教員の判断に任せている。

<海洋生物科学科・海洋生物工学科>

海洋生物科学科では、前期に7科目、7名の教員が、また、後期には7科目、7名の教員が授業評価アンケートを実施した。
 以下のとおり対応した。

  1. 授業評価結果を受けて各科目の担当教員が講義時間の中で指摘された問題点の反省と改善策について学生に説明するとともに、さらに学生からの意見を口頭で求め、今後の授業内容・方法等の改善に活かすこととした。
  2. 学科会議において、授業評価結果を学科全員で共有し、過去の授業評価結果と併せて検討を行い、今後のカリキュラム編成に活かすこととした。例えば、専門基礎の化学系科目や専門科目の基礎系科目において満足度が低い傾向が認められたので、平成24年度から実施予定の新カリキュラムの編成に際して、これらの科目の内容について作業部会を組織して議論していくこととした。

V.薬学部

 薬学部では、前期に24科目(22名の教員)、後期に19科目(20名の教員)で授業評価アンケートを実施している。薬学部では、1つの講義を複数教員で担当する科目が多く、通常のアンケート実施時期後に授業を担当する教員もいるので、授業評価アンケートの実施時期については自由度を持たせて欲しいという要望を薬学部からお願いしていたので、22年度の後期からはその要望に基づいて実施した。したがって、後期での5科目についてはアンケート集計を来年度の前期に行うことになっている。
 前後期それぞれに集計されたアンケート結果は、教員全員に回覧し、今後の学生に対する指導や講義に反映することにしている。前期実施の全科目の満足度の平均は3.87(2.75~4.69)、後期実施の全科目の満足度の平均は4.06(3.58~4.43)であり、後期の満足度の方が少し高いが、いずれにしても概ね満足しているものと思われる。授業評価に関する結果の学生へのフィードバックについては、教員に対して対応方法や改善策などについてのアンケート調査を実施し、その意見を集約して薬学部教員に配布している。授業評価を受けた薬学部教員に対するアンケート結果から、学生へのフィードバックは前期16科目、後期10科目で実施し、結果を受け取ったときにはすでに該当授業が終了していてフィードバックできなかった教員の2科目は来年度別の科目の中で実施する予定となっている。授業改善として、板書の改善(文字を丁寧に大きく書く)、講義のスピードを落とし、声を大きくゆっくり話す、マイクの使い方に注意する、パワーポイント原稿の活字を大きく、配布プリントの字を大きく濃く鮮明に、などの講義手法の改善などの対応策が取られている。また、アンケート結果が講義終了後となる場合は当該学生に対しての授業改善には繋がらないが、次年度の学生に対する講義で改善されている。例えば、以前からの改善点として挙げられていた確認テストや小テストが、今回は、良い点としてあげられているのが増えていることは、授業評価アンケート実施により改善された成果と思われる。さらに、講義内容を整理し内容を少なくする、演習問題を増やすなどの講義内容の改善も行われている。

おわりに

 平成22年度の「学生による授業に関するアンケート調査」では、アンケート項目は前年度を踏襲した。前年度評価結果と比較検討ができるようにした。平成22年度の「学生による授業評価のアンケート調査」でも、前年度と同様に、学部・学科内の教員間でアンケート結果を共有するために速やかに通知した。その結果、講義終了日までには、評価結果を踏まえて学生にその結果や授業改善等の具体的方法についてフィードバックを行うことができた。平成22年度は、フィードバック結果を学科主任に報告することを求め、かなりその成果があったと感じられるので、平成23年度もその充実を図るべきである。
 学内全体として、学生へのフィードバックを行うことにより、教育方法や内容を真摯に受け止め、教育方法の改善につながって、学生の満足度も高まっており、このアンケート調査の成果が現われている。前期・後期のいずれかで授業評価を受ける方法で、前期に集中させる傾向がある。授業の満足度と授業科目の試験の成績との関係についての分析をしていないが、将来的には、授業科目数を絞って、その関係についても分析してはどうであろうか。
 教育効果を上げるには、学生の学習意欲、教員の講義技能と熱意が不可欠である。学生の学習意欲は、履修時の初期の関心度と講義から得られる興味との相互作用といえる。
 教員の立場からは、講義のスキルと熱意の双方が重要であり、授業アンケートの結果から、これらの点はかなり反映できているものと判断している。
 分かりやすい授業をすることは、最も重要な課題である。授業を分かりやすくするには、学生の能力に応じて講義の手法に工夫をしなければならない。その際、目標到達レベルを安易に低くするのではなく、大学教育として教育レベルが十分に維持できているかを把握し、より一層の教育の質の向上を目指していく必要がある。学生の基礎学力の差が近年ますます大きくなっている現状のもとで、教育の質を保証できるように不断の授業改善を心がけることが重要である。


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