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大学教育センター
FUKUYAMA UNIVERSITY Education center

平成26年度福山大学第2回FD研修報告

 平成26年7月16日(水),今年度の第2回FD研修を全学教授会終了後,大学会館3階ICT教室CLAFT及び3階ホールで実施しました。教授会終了後に15号館から大学会館へ場所を移しての研修ということで,参加者の人数が少ないのではと心配しましたが,ほとんどの教員が大学会館方面へ歩を進められ,研修を企画した側の不安は杞憂に終わり,ほぼ構成員全員による研修となりました。
 今回は,福山大学の平成25年度教育振興助成金に採用された,15名の研究代表者に発表を依頼しました。教育振興助成金は,福山大学の教育改革推進のために,単年度で教育方法に関する開発などを実践する取り組みに助成金を配分する制度です。昨年度は,「特色ある教育方法開発」に9テーマ,「学生の参加する社会連携活動」に6テーマが採択され,それぞれ実践に基づく成果報告書をまとめ,大学ホームページ内にすでに公開しています。今回は,成果報告書だけでは伝えきれない内容,あるいは,実践の過程に潜む工夫や努力について,対面形式で情報交換できる場所を提供しました。したがって,発表方法は15テーマを口頭発表で順番に行うのではなく,会場内に15のブースを設け,そこにポスター掲示,プロジェクターによる映像提示,報告書や報道記事の展示を行って,発表者と参加者がフリーディスカッションできる形式を取りました。
 15のテーマに関連した研究代表者と分担者は,当日の昼休憩から教授会開始までの間に展示準備を終えられていたため,教授会終了後の午後5時には予定通り開始することができました。各ブースへの参加者が閑散とするのではという杞憂も吹き飛び,開始の全体アナウンスとともに,椅子に腰掛けられていた参加者は,すぐに目指すブースに向かわれ,そこで熱い議論が開始されました(写真1)。


写真1 CLAFT内での各ブースにおける活発な議論の様子

写真1 CLAFT内での各ブースにおける活発な議論の様子


 CLAFT会場を「特色ある教育方法開発」9テーマ,CLAFTと隣接する3階ホールを「学生の参加する社会連携活動」6テーマのブースに設定しました。15のテーマの研究代表者と研究テーマは表1の通りでした。


表1 第2回FD研修における15の研究代表者と研究テーマ一覧




NO 研 究 代 表 者 研 究 テーマ
学 部 学  科 氏  名










@ 人間文化 心  理 橋本優花里 「ピア・サポート・トレーナー養成講座」プログラムの伸展とアウトカム評価の研究
A 人間文化 人間文化 青木美保 フィールドワークによる地域文化掘り起こしと地域活性化への提言―井伏鱒二の文学に描かれた地域文化を通して
B 人間文化 メディア
情報文化
内垣戸貴之 学生活性化を目指した複数科目のクロスカリキュラム的授業デザインの試行
C 大学教育センター 荒木紀幸 ワークショップスペース(CLAFT,学習支援室など)を活かした新入生のための楽しく学ぶ「チーム学習」カリキュラムの開発
D 情報工 宮崎光二 iPadを用いた出席管理システム
E 生命工 海洋生物科 河原栄二郎 アウトリーチプログラムを導入した新たな学芸員養成教育の取組み
F 石津 隆 薬学部学習支援におけるチューターおよびメンター制度の導入
G 吉富博則 学部連携型PBLシステムの構築(具体的授業プランの検証)
H 生命工 海洋生物科 河原栄二郎
(後期開始)
教育実習生の学習指導技量評価法の開発と応用













I 経済 経  済 相原正道 スポーツ体育会スタートアップ・ミーティング
J 経済 経  済 相原正道 産学連携による研究調査事業委託および大学ゼミ対抗スポーツ政策コンテスト参加
K 人間文化 人間文化 青木美保 ロボコミュニケーション社会・創造プロジェクトU
L 人間文化 メディア
情報文化
阿部 純 「映画論」を福山駅前で―福山近郊映画館と協働した上映会の企画運営
M 生命工 生物工 山本 覚 地域住民と連携した学生による本郷川の環境調査と修復活動
N 生命工 生命栄養科 平松智子 学生の社会連携活動参加を促進するポイント制

 会場の様子を一部紹介すると,「特色ある教育方法開発」の中では,心理学科の「ピア・サポート養成講座」,「薬学部学習支援によるチューターおよびメンター制度の導入」に関するテーマが,学生同士の学び合いとともに,相互に温かい人間関係が構築されるという,これからの学修支援と学生生活支援が結びついた好事例として関心を集めていました(写真2)。



写真2 「ピア・サポート養成講座」のブースおける議論の様子


 また,薬学部,生命栄養科学科,心理学科という学部連携によるPBL構築に対する展示は,糖尿病の模擬患者に各専門領域からインタビューを行うといった,難易度の高い課題への取り組みが紹介されました。学部連携のPBLは総合大学であるが故に,関心の高いテーマと受け止められ多くの参加者が訪れていました(写真3)。



写真3 「学部連携型PBLシステムの構築」のブースにおける議論の様子


 一方,CLAFT前のホールでの「学生の参加する社会連携活動」では,ロボコミュニケーション社会・創造プロジェクトとして,双方向会話で「おもてなし」のできるロボットのデモとともに,ロボットの言語・非言語の両側面が人間にどのような影響を与えたかを解析した卒論データも学会並みに提示されていました(写真4)。



写真4 「ロボコミュニケーション社会・創造」ブースにおける議論の様子


 また,福山駅前の映画館と協働で企画・運営した,映画論の講義での学生の活躍の様子は,多くのマスコミに取り上げられたため,その報道資料などを展示して説明が行われました。福山駅前の映画館との協働プロジェクトへの学生参加は,理系の先生には新鮮で興味深いテーマだったようです(写真5)。



写真5 「映画論を福山駅前で」のブースにおける議論の様子


 この他のブースでも非常に活発な議論と交流が行われました。この教育振興助成金の成果報告によるFD研修は初の試みでしたが,5学部14学科の教員が,お互いの教育や研究で何を行っているか,どのような工夫をし,どのような苦労をしているのかを共有できるよい機会となりました。同じキャンパスで過ごし,1ヶ月に一度は全学教授会で一堂に会する教員同士ですが,専門領域が異なると交流の意義やチャンスを見いだす機会が少ないのが現状だと思います。このような学問領域の異なる教員が,第2回FD研修で議論する機会が得られたことは,今までに知ることができなかった新たな知識に触れ,今後の教育・研究に新たな発想を生む機会になったのではと期待します。
 FD研修は著名な講師の講演や一部の教員の体験を講義形式で聴講する形式が多い中,同じ大学の教員の発表に膝をつき合わせて交流するタイプのFD研修も大変有意義であり,今後もこのような様々なタイプのFD研修を企画していきたいと思います。

(記:平 伸二)


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