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建築学科
Department of Architecture

高校生デザインコンペ2018 作品と講評

課題 『近未来のシェアハウス』 入賞作品・講評


最優秀賞


『 緑をシェアする家 』 
  佐藤 惟吹 (静岡県立科学技術高等学校)


 最優秀案は、「緑をシェアする家」でした。近未来の設定として、地球温暖化とヒートアイランド現象による気温上昇への対策として屋根、壁、床などを緑化し、それをシェアする提案です。平面構成として、正方形の建物の中に各個室を自由にランダム的に配置し、芝生を敷き詰めたLDKを共用スペースとして設けています。中央部分には、ダイニングテーブルのある居住者共用のスペースがあり、その一方で、各個室に角度を与えて配置することによって一見残存スペースのように思われる「プライベートな落着きのある空間」生まれ、それらは緑の芝生によって繋がっています。さらに、外壁を緑化し、入居者だけではなく家の前を通る人に対する癒し効果も提案され、総合的に優れた作品として最優秀案に選定されました。個室の壁と外壁間に生まれた残存スペース的な落着きのある空間に対する提案があれば、さらにも魅力的な作品になったでしょう。
(以上、審査委員O)


部門B: 図面、CG等によるビジュアル表現による設計の提案

優秀賞


『 趣味が生むつながり
   ~卓球のモニターシェアハウス~ 』 
  川西 叡裕 (岡山市立岡山後楽館高等学校)


『 Connect ~世界とまち、まちと人~ 』 
  谷本 小雪 (岡山市立岡山後楽館高等学校)


 
佳 作

『 つなぐ 』 松原 成美 (静岡県立浜松工業高等学校)
 
『 クリエイターズルーム』 檜尾 宝 (広島県立福山工業高等学校)
 
 


 優秀作品は、「趣味が生むつながり」、と「Connect ~世界とまち、まちと人~」が選ばれました。「趣味が生むつながり」は、今後単身者が増え個々の関係が希薄になるため、入居者の共通の趣味として卓球場を設け、それをシュアすることにより入居者間のつながりを得ようという提案です。さらに、管理運営を卓球用具メーカーが担い、居住者は商品開発のモニターとして次に製品開発にも参加するというアイデアが盛り込まれています。しかも、卓球場は近隣の人に対しても解放され地域との繋がりも意図されています。建物構成として、1回の卓球場があり、入居者用と一般用の入り口も分離され、2階は入居者共用のLDK、3階は入居者の個室が設けられ、適切にゾーニングされています。1階の卓球場の上部の一部が吹抜けとなり、2階からも見下ろすことができるようになっています。これらの計画的な完成度と卓球のモニターとしてのシェアというユニークな発想が評価され、優秀案となりました。

 もう一つの最優秀作品「Connect ~世界と」は、近年の商店街を訪れる外国人が増えていることに着目し、日本の商店街に暮らすことを目的とした外国人のためのインターナショナルシェアハウスの提案である。入居者の共用スペースであるLDKを中心に、各個室、図書館、多目的スペースを分散配置し、ウッドデッキによって連結し、入居者だけではなく、訪れた地域の人も交流ができる空間が提案されています。このウッドデッキによって各室を繋げることにより、樹木による緑の環境も取り入れ魅力ある空間が生まれていること等が評価され優秀案となりました。
これら3作品はともに、その建物内の入居者だけの「シェア」ではなく、地域との関係や交流も盛り込み計画的な発展が期待できる提案でした。

 その他に、伝統文化を支え、地域を繋ぐシェアハウスを提案した「つなぐ」と、クリエイターたちが情報交換し交流ができる「近未来の社絵ハウス クリテイターズルームの提案」の2作品が佳作として選定されました。(以上、審査委員O)
 


部門A: 文章とスケッチ・写真等を主体としたアイデアの提案

優秀賞


『 プロスキルシェアハウス 』 
  朝倉 優輝 (静岡県立浜松工業高等学校)


『 育児のシェア 』 
  冨田勇樹人 (静岡県立浜松工業高等学校)


 
佳 作
『 価値の変換 』 堤  元希 (静岡県立浜松工業高等学校)
 
『 VR ~視覚をシェアするシェアハウス~ 』 大坂蒼一郎 (熊本県立熊本工業高等学校)
 
『 Under water House 』 島原 佳那 (京都市立京都工学院高等学校)
 
 


 「近未来は誰が何をシェアするようになるのか?」という課題主旨に対して、従来の施設設備のシェアという考え方に捉われない提案が寄せられました。

 「優秀」に選定された『プロスキルシェアハウス』は、人々の仕事が機械に奪われていくことが予想されている未来を想定した問題提起と解決策を論じています。機械ではなく、人間にしかできないスキルを持つために、仕事のスキルを増やす場としてシェアハウスを提案したものです。仕事のスキルを増やす方法は、時間をかけて習得する一つの「プロスキル」を持った人がともに生活する中で、「プロスキル」をシェアし、短い時間で習得できる「プチスキル」を複数持つことができると」いうアイデアです。一つのスキルにこだわることなく、プチスキルを増やすことで自分の可能性を広げることが近未来には必要となるという前提で、そのための場としてシェアハウスが説得力を持って提案されていました。
 社会についていくための複数の「プチスキル」という発想は現代の若者が抱える不安を体現したもので、近未来の社会を若者の視点で分析した意欲的な作品です。

 もう一つの「優秀」に選定された『育児のシェア』は、少子化が起こる理由に着目し、育児の負担をシェアによって改善し、地域ぐるみで育児をする環境をつくろうという提案です。ここでは、子育て世帯だけでなく、地域の高齢者も巻き込んで様々な人の関わりあいを生み出す仕掛けが提案されています。子育てのためのシェアハウスのアイデアは既に海外では行われているものですが、この作品では地域の農家や商店、時間のある高齢者、使われなくなった施設のリノベーションといった日本特有の地域の問題にその活路を見出した点が評価されます。

 いずれの作品も近未来の問題を自分自身の課題と捉えて、そのための解決方法を探ろうとしており、これからの未来をつくる高校生に期待が寄せられる内容となっていました。(以上、審査委員S)


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