
福山大学は、昭和50年(1975年)4月、「福山大学は真理と道義が混然一体となった教育的な理想社会でありたい。福山大学は、このような教育社会の実現を目標として科学偏重の主知主義におちいることなく、さりとて実学のみに堕せず、学生諸君に強い意志と豊かな教養を身につけさせ、勇気と魂のある、視野の広い、国際社会に通用する若人に育てるため、全人格的教育を行う。」という建学の理念を掲げる宮地 茂 初代総長・理事長によって創設されました。
こうして、福山大学は今日に至るまで、その建学の精神の中で謳われている「全人格陶冶を目指す全人教育」を目標として掲げ、本学独自の学風に沿った優れた教育を推し進めてきたことは、周知のところです。
しかし、5学部8研究科を擁する、中国地方では有数の中規模大学に発展してきた福山大学が、今後さらに時代の動向を見据えて、その高等教育機関としての機能と社会的役割を充実・発展させ、社会の要請に応えられる優秀な人材を輩出するためには、現状の厳正な認識と分析に基づいた「福山大学独自の特色ある全学的教育システム」を新たに構築する必要がありました。
時を同じくして中央教育審議会から、平成20年(2008年)3月25日に、『学士課程教育の構築に向けて(審議のまとめ)』と題する答申が提示されました。
このような状況下で、牟田泰三前学長のリーダーシップのもとに、「福山大学改革推進委員会」の中に「教育改革部会」を設けて、新たな教育システムを構築するための検討作業を行い、その成果を平成20年(2008年)9月22日付で、『福山大学教育システム』と題する冊子にまとめました。
その教育改革の中でも、とりわけ重要な柱である共通教育の改革についての大学独自の提言を、平成20年(2008年)12月17日付で『福山大学における共通教育』としてまとめました。
これらの冊子で謳われている教育システムに基づく教育改革の努力全体を一体化・構造化することを目指して、平成21(2009年)年4月に「福山大学教育センター」という名称を冠した、全学的な教育プログラムを統括する機関が発足しました。
大学教育センターでは、本学教育システムの全学的な実践を円滑に推進し、もって、教育の質の向上を図るため、関連委員会等と連携して以下の業務に取り組みます。

平成21年(2009年)4月、大学教育センター発足時にセンター長に就任してから、すでに2年が過ぎました。この間、教学関係各部局が緊密に連携しながら、しかも各学部学科の特色を生かして、全学が「福山大学教育システム」に掲げられた共通の目標に向かう方策を模索しながら過ごしてまいりました。
「福山大学教育システム」の実質化を目指して、学位授与の方針(ディプロマポリシー)と教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)の明確化、教育課程の体系化を示すカリキュラムマップの作成、GPA導入に向けた成績評価システムの導入、学生の多様な学習意欲に対応する副専攻制の導入、初年次教育の導入、キャリア教育の体系化、インターンシップ制度の拡充、学習支援組織の充実などを進めてまいりましたが、いずれも緒についたばかりです。社会から求められている「知識」「技能」「態度」の3つの要素を含む確かな学士力あるいは経済産業省が提唱する社会人基礎力を備えた人材を養成するためには、上述の教育課程の実践、点検・改善が必要であることはもちろんですが、それにも増して、教育方法の点検、見直しが重要と考えています。
今の学生諸君は携帯電話やパソコンを通して情報を得、ネットを通して人との繋がりを持つなど、私たちの時代とは学習・生活環境が一変しているように思います。こうした環境を受け入れながら、上に述べた様な基礎力を身につけるお手伝いをしたいと考えています。
「福山大学教育システム」を組織的・総合的に実践するには、学内の教職員の共通理解が何より大切です。FD、SD活動を活発化し、コンセンサス形成に努めたいと考えています。
よろしくお願いします。
平成23年4月1日